なぜこの記事を書いたか
Instagramで「もしも〇〇に積み立てていたら」という動画を見かけて、自分でもちゃんと計算してみたくなりました。もしもを考えることって無駄と思うかもしれませんが、気になってしまいました。
「積立投資は長く続けるといい」って、よく聞きますよね。でも、実際にどれくらい差がつくのかは、数字で見ないとピンときません。そこで、実際の過去のデータを使って、S&P500と貯金箱を比べてみました。
先に言っておくと、これは「S&P500を買おう」という話ではありません。過去に実際に起きたことを、数字でそのまま見てみる実験の記録です。
結論:240万円が約1,712万円に
20年間、毎月1万円ずつS&P500に積み立てていたら、入れた240万円は約1,712万円(約7.1倍)になっていました。貯金箱なら、240万円は240万円のままです。
| 入れたお金 | 2026年11月2日時点 | |
|---|---|---|
| S&P500(毎月1万円を積み立て) | 240万円 | 約1,712万円(約7.1倍) |
| 貯金箱 | 240万円 | 240万円 |

正直、桁を見間違えたかと思いました。
計算の条件
数字は、どんな条件で計算したかで大きく変わります。今回はこうしました。
- 期間:2006年11月から2026年10月までの240か月(20年)。評価は2026年11月2日時点
- 積み立て方:毎月最初の取引日に1万円分を買う(端数の口数も買える前提)
- 使ったデータ:S&P500に連動するETF「SPY」の価格と、ドル円の為替レート(どちらもStooq)
- 円とドルの換算:買った日のドル円レートで換算
- 分配金:Stooqの価格は分配金を考慮した調整後の値と見られるので、分配金を再投資したのに近い結果です
- 含めていないもの:売買手数料、為替手数料、税金
実際に投資信託やNISAで積み立てた場合とは、手数料や税金の分だけ結果が変わります。ざっくりした目安として見てください。
ちなみに、実はデータを集めるところで一度つまずきました。調べた手順どおりに進めても、ダウンロードのボタンがどこにも見当たらないんです(笑)。サイトの仕組みが変わっていたのが原因で、やり方を調べ直して取り直しました。
一番つらかったのは、最初の6年間
この20年で一番ひどかったのは、積み立てを始めて約2年後の2009年2月です。リーマン・ショックのあとで、それまでに入れた28万円が、約14.5万円とほぼ半分になっていました。
NBAでいえば、第1クォーターでいきなり20点差をつけられたようなものです。つまり、始めてすぐに大きく負けている状態です。
しかも、積み立てが貯金箱を上回り、そのあと一度も下回らなくなったのは2012年8月。始めてから約6年間は、ほとんど「貯金しておけばよかった」状態が続いていたことになります。差が大きく開いたのは、後半の数年です。
ドラゴンボールでいう修行回みたいなもので、地味な時期が一番長いんですよね。つまり、積み立ては結果が出るまでに時間がかかる、ということです。
たぶん僕なら秒でやめています(笑)
7.1倍のうち、円安の力も大きい
計算していて気づいたのが、為替の影響です。積み立てを始めた2006年11月のドル円は約117円、それが2026年11月2日には約158円です。
途中の2008年末から2013年初めにかけては1ドル90円を切る円高が続き、2011年10月には約76円まで円高が進みました。そのころに安く買えた分が、今の円安で大きくなっています。
為替の影響をなくして、ドルで毎月同じ額を積み立てたとして計算すると、結果は約4.5倍です。円で見た7.1倍との差は、ほぼ円安のおかげです。逆にいえば、これから円高に振れたら、円で見た資産は減ることになります。
米国株に興味がある人は、株価だけでなく為替もいっしょに動く、ということは覚えておいたほうがよさそうです。
計算してみて僕が思ったこと
20年という長い期間ですが、大きく増えたのは最後の6年くらいです。2020年11月に約465万円だった評価額が、今は約1,712万円。6年で約3.7倍になっていて、増えるスピードの速さに驚きました。
ここで気づいたのが、複利(増えた分が、さらに増えていく仕組み)の力のすごさです。最初のころにコツコツ入れたお金が、時間をかけて増えて、その増えた分がまた増えていきます。後半になるほど伸びが大きくなるのは、このためです。
そして、コツコツ積み立てを続けることって大事なんだなと気づきました。もし最初の6年の地味な時期にやめていたら、最後の6年の大きな伸びは受け取れていません。
まとめ
もしも20年前からS&P500に毎月1万円積み立てていたら、240万円は約1,712万円になっていました。ただしその道のりは、入れたお金が半分になった時期も、貯金箱に約6年勝てなかった時期もある、でこぼこの道でした。さらに7.1倍のうちかなりの部分は、円安のおかげです。
「積み立てって実際どれくらい差がつくの?」と思っている人の参考になればうれしいです。このシリーズでは、これからもいろいろな会社や資産で「もしも」を試していきます。
オルカンでも同じように計算してみました。期間は8年ですが、年ごとに見るとオルカンが上だった年もありました。
→ もしもオルカンに8年積み立てていたら? S&P500と比べてみた
免責事項:本記事は過去のデータにもとづく試算であり、将来の成果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入を勧めるものでもありません。投資には元本割れのリスクがあります。投資判断はご自身の責任で行ってください。