前回の記事では、S&P500に20年間、毎月1万円を積み立てていたらどうなったかを計算しました(→もしも20年前からS&P500に毎月1万円積み立てていたら?)。そうなると、次に気になるのは「オルカンだったらどうだったの?」です。今回は、同じ毎月1万円でこの2つを比べてみます。
前回の記事を読んだ友だちに『オルカンじゃダメなの?』と聞かれて、答えられなかったので気になりました。
結論:8年でS&P500は240.2万円、オルカンは220.3万円
2018年11月から2026年10月までの8年間(96か月)、毎月1万円ずつ積み立てた結果です。
| 元本 | 評価額(2026年10月30日) | 増えた金額 | 元本の何倍か | |
|---|---|---|---|---|
| S&P500 | 96万円 | 240.2万円 | +144.2万円 | 約2.50倍 |
| オルカン | 96万円 | 220.3万円 | +124.3万円 | 約2.29倍 |
| 貯金箱 | 96万円 | 96万円 | 0円 | 1.00倍 |
出典:三菱UFJアセットマネジメント公表の基準価額をもとに筆者作成

この8年に限ると、S&P500のほうが約20万円多くなりました。ただ、オルカンも元本の2倍以上に増えています。どちらも、貯金箱との差はかなり大きいです。
計算の条件
計算に使った条件はこちらです。
- 使ったファンド:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)と、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- 期間:2018年11月〜2026年10月(96か月)
- 買い方:毎月1万円を、月の最初の営業日の基準価額(ファンド1万口あたりの値段)で買う
- 評価する日:2026年10月30日の基準価額
- 手数料:どちらも買うときの手数料は0円です。信託報酬(持っている間ずっとかかる手数料)は、基準価額にもう含まれています
- 税金:考えていません(NISA=運用で増えた分に税金がかからない制度、で買った想定です)
実は最初、前回と同じ20年で比べるつもりでした。でも調べてみたら、オルカンは2018年10月に始まったファンドで、20年分のデータがそもそもありませんでした(笑)。似た動きをする別のデータで、20年分を作ることもできました。でも、本物の数字のほうが信じやすいと思ったので、実際のオルカンの基準価額で8年を計算することにしました。
似た動きをする別のデータで20年分を作ることもできたけど、本物の数字のほうが信じやすいと思ったので、「実際のオルカンの数字」で比べることにしました。
なお、前回のS&P500の記事は、アメリカのETF(株と同じように売り買いできる投資信託)の価格を円に換算して計算しました。今回は日本で買えるファンドの円の基準価額をそのまま使っています。計算のしかたが違うので、前回の数字とは直接比べられません。
オルカンとS&P500、そもそも何が違う?
S&P500は、アメリカの代表的な大企業約500社をまとめたものです。オルカンは、日本も含めた世界中の株をまとめたものです。とはいえ、オルカンの中身の約6割はアメリカの株です。
NBAでたとえると、S&P500は「アメリカ代表」、オルカンは「世界選抜チーム」です。ただし世界選抜のスタメンも、6割くらいはアメリカの選手が占めています。つまり、オルカンもかなりアメリカ寄りで、残りの4割で日本やヨーロッパ、新興国などに広げている、ということです。
8年の途中で何があったか
2020年3月:コロナショック
積み立てを始めて1年半くらいのところで、コロナショックが来ました。2020年3月24日の時点で、元本17万円に対して評価額はこうなっていました。
- オルカン:13.1万円(元本から−22.7%)
- S&P500:13.5万円(元本から−20.7%)
どちらも元本を2割以上割りこむ、含み損(今売ったら損になる状態)でした。ただ、どちらも2020年5月下旬には元本を上回るところまで戻っています。

もし2020年2月に積み立てを始めていたら、2か月目でいきなり元本の約4分の1が減っていた計算です(2万円 → 約1.5万円)。僕だったら、投資そのものを信じられなくなっていたかもしれません。
2025年4月:急落
もうひとつ大きかったのが、2025年4月の急落です。それまでの最高だった2025年1月24日から、4月9日までの評価額の動きはこうでした。
- オルカン:145.1万円 → 117.8万円(−27.2万円、−18.8%)
- S&P500:166.0万円 → 128.5万円(−37.5万円、−22.6%)
金額でも割合でも、S&P500のほうが大きく下がっています。前の最高値まで戻ったのは、オルカンが2025年6月下旬、S&P500が7月中旬でした。
年ごとに見ると、オルカンが勝った年もある
8年トータルではS&P500が上でしたが、毎年勝っていたわけではありません。基準価額が1年でどれくらい動いたかを並べてみました。
数字で見ると、こうです。
| 年 | オルカン | S&P500 | 上だったほう |
|---|---|---|---|
| 2019年 | +26.8% | +30.5% | S&P500 |
| 2020年 | +9.0% | +10.3% | S&P500 |
| 2021年 | +32.7% | +44.5% | S&P500 |
| 2022年 | −5.6% | −6.1% | オルカン |
| 2023年 | +30.4% | +34.6% | S&P500 |
| 2024年 | +32.5% | +40.8% | S&P500 |
| 2025年 | +20.5% | +15.7% | オルカン |
| 2026年(1〜10月) | +13.0% | +13.4% | S&P500 |
出典:三菱UFJアセットマネジメント公表の基準価額をもとに筆者作成(各年の最終営業日の基準価額で計算。2026年は10月30日まで)
8年のうち、オルカンが上だったのは2022年と2025年の2回でした。どちらも、S&P500の伸びが弱かったり、下がったりした年です。上がる年はS&P500が大きく上がり、S&P500が弱い年はオルカンが少しましだった、という形です。
僕が思ったこと・どうするか
差はもっと開いていると思っていたので、約20万円というのは意外でした。
2つは基本的に同じような動きをしているので、僕は、両方ではなくどちらか片方でいいかなと思っています。
まとめ
- 2018年11月から毎月1万円を8年積み立てると、元本96万円がS&P500で240.2万円、オルカンで220.3万円になった
- この8年はS&P500のほうが約20万円多かった
- 2020年3月のコロナショックでは、どちらも元本を2割以上割りこんだ
- 2025年4月の急落では、S&P500のほうが金額でも割合でも大きく下がった
- 年ごとに見ると、オルカンが上だった年も2回あった
次は、同じ条件で日経平均やNASDAQ100も計算してみる予定です。
免責事項
この記事は、過去のデータをもとにした計算の記録です。特定の商品の購入をすすめるものではありません。過去の結果は将来の成績を保証するものではないので、投資の判断はご自身でお願いします。
参考にしたデータ
- 三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」基準価額(2026年11月4日取得) https://www.am.mufg.jp/fund/253425.html
- 三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」基準価額(2026年11月4日取得) https://www.am.mufg.jp/fund/253266.html
- オルカンの国別の割合:同ファンドの月次レポート(上のオルカンのページから確認できます)